2019.06.26

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派遣社員が育児休暇を取るには|取得条件と復帰のポイント

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「自分は正社員ではなく派遣社員なので、子どもを産む場合はいったん退職するしかない」と考えている方は意外に多いものです。しかし、育児休暇は正社員に限ったものではなく、すべての労働者が取得できる制度であり、当然派遣社員も育児休暇が取得できます。

この記事では、育児休暇の概要をはじめ、スムーズに育児休暇を申請する方法や復帰のポイントなどについて紹介します。出産後の働き方や育児休暇中の生活資金などに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

派遣社員が育児休暇を取る条件

ここでは、派遣社員が育児休暇を取得できる場合とできない場合とについて紹介いたします。

取得条件

「育児・介護休業法」によると、育児休暇はお金をもらって働いている人が、雇用主に申し入れれば取得できます。雇用主は、もし労働者から育児休暇を取りたいといわれた場合に拒否できないと定められているため、基本的には誰でも取得可能です。

つまり、正社員だから、派遣社員だからと雇用形態を気にすることなく、希望に応じて育児休暇が取得できます。そのときに担当している仕事の種類や勤務条件、派遣元や派遣先の事業規模などにも影響しません。

雇用主に育児休暇を申し入れた場合、場合によっては自社に就業規則がないので、育児休暇は取れないとされる場合があるかもしれません。しかし、これは法律で定められているもののため、就業規則になくても取得可能です。

ただし、どのような場合でも無条件に取得できる制度ではなく、以下の2つの条件を満たさなければなりません。

・同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
・子が1歳6ヶ月に達する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

ここでいう「同一の事業主に引き続き1年以上雇用」とは、派遣元に1年以上在籍しているかどうかという基準です。もし1年以内に派遣先が変更になった場合でも、派遣元に1年以上在籍していれば育児休暇は取得できます。

また、「労働契約の期間」についても、派遣元と労働契約が継続しているかどうかがポイントです。派遣元に籍が残り、子どもを保育園に預けるなどして働く意思がある場合には、労働契約が残るのが一般的です。派遣先とは契約終了になってしまうかもしれませんが、そのような場合でも育児休暇が取得できます。

派遣社員の場合は、派遣先が頻繁に変わることがあります。そのため、「派遣先が変わったばかりだと育児休暇が取れないのでは?」と誤解してしまう場合があるので注意しておきましょう。

取得の対象外となる条件

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一方、以下の3つの条件に当てはまる労働者については、育児休暇が取得できないことがあります。

・継続した雇用期間が1年に満たない労働者
・育休の申出日から1年以内に雇用関係が終了する労働者
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

育児休暇は継続して働く人を守るための法律です。そのため、休暇中は後述する給与の保証などいくつかのメリットがあります。そのため、極端な例を挙げると、出産を目前に控えている方が新しく就職をした場合には育児休暇が取得できない仕組みになっています。

また、働く意思のない人の生活を保護するための制度ではありません。長年勤めていたけれど出産を機に家庭に入ろうと考えている方は育児休暇の制度の対象外です。

加えて、1週間の勤務日数が少ない方は、労働者とみなさないと考えるのが一般的です。このほか、明らかに家で子どもを養育できる人がいる場合は育児休暇が取得できないとする場合もあります。

ただし、これらの条件に当てはまる場合でも、労働条件などにより育児休暇が認められることがあります。詳細は、各企業と労働者との間で取り決める労使協定で定義されます。交代要員の少ない業種や事業所の場合、これらの条件が定められていることが多いです。

育児休暇の申請方法

育児休暇の申請は、派遣元の会社に休業開始予定日の1ヶ月前までに申請します。出産後そのまま育児休暇に入る場合には、産前休業の申請と合わせて提出しても構いません。それぞれの期日は以下のとおりです。

・産前休暇:産休開始予定日の1週間前まで
・育児休暇:休業開始予定日の1ヶ月前まで

申請書には出産予定日をはじめ、各休暇の期間(産後休暇期間、育児休業開始(予定)日、育児休業終了(予定)日)などを記載します。その際、母子手帳など出産予定日がわかるものを添えて提出するのが一般的です。

産前休暇と育児休暇を同時に申請する場合は、出産予定日を基に書類を作成します。しかし、実際の育児休暇期間は出産の翌日から8週間以後になります。そのため、出産後に実際はいつ子どもが生まれたのかの報告が必要です。

妊娠は経過が読めず、発覚時点で報告するか安定期になってから報告するかは個人の考えによる部分が大きいです。しかし、妊娠悪阻(おそ)や切迫流産、切迫早産などで突然働けなくなる可能性もあります。

職場でも業務の引き継ぎを検討して交代要員を探さなければなりません。育児休暇にかかわる申請は、できるだけ早めに終わらせておくのが無難です。また、会社に育児休暇を届けるほか、健康保険組合などに出産手当金、ハローワークに育児休業給付金の申請など、いくつかの手続きも必要です。

育児休暇からの復帰

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育児休暇が取得できても、休暇を終えて希望どおりの場所に復職できるとは限りません。派遣社員だからこそ、どのような条件で復職したいかをあらかじめ考えて、準備をしておきましょう。

復帰できないケースも多数

派遣社員が育児休暇を取得して解雇されるなどの不利益を受けることはありませんが、もともとの職場に戻れる保証がない点には注意しておきましょう。業務が継続していてどうしても人が必要な場合には、別の人材が交代要員として派遣されているのが一般的です。

出産前の仕事内容に惹かれる気持ちがあるかもしれませんが、新たなステップアップの機会として前向きに捉えれば、育児と仕事が両立できる仕事の進め方を再検討する良い機会になります。

スムーズな復帰のためのポイント

休暇中にさまざまな行動をしておくことで復職がより有利に進められるようになります。

派遣会社に連絡

もともとの派遣会社に復帰する予定の場合には、復帰のタイミングや復帰後の派遣先について、育児休暇中に何度か相談しておくとよいでしょう。最新の情報が入手できるだけでなく、派遣会社に復職の意思が固いことをアピールするのにも役立ちます。

いくつかの派遣会社に登録

複数社に登録しておけば、より働きやすい条件で就職ができます。その際、働きたいと思ったときよりも出産前にいくつかの派遣会社に登録しておくのがおすすめです。

業務経歴が空白になってしまい不利に働くリスクを減らすだけでなく、派遣会社がより自分にあった仕事を見つけるための時間にもなります。

希望条件を明確にする

・残業はしたくない
・土日は休みたい
・家や保育施設からの距離を優先にしたい
・報酬はこのくらい欲しい

上記のように子どもが生まれる前にはなかった働く条件が出てきているかもしれません。どのように働くのがより自分に合っているかを考えて、派遣元に条件を伝えましょう。

育児休暇の延長

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派遣元と育児休暇の期間を1年などと打ち合わせていても、子どもの預け先が決まらなければ働くことができません。その場合は、育児休業給付金の支給期間を延長しつつ、保育先を探し続けましょう。

育児休業給付金は通常子どもが1歳になるまでの期間とされています。しかし、保育園に入れなかったなど事情が認められれば、育児休業給付金の支給が延長されます。両親が育休を取得する際に適用される「パパ・ママ育休プラス」制度との併用も可能です。

延長申請の条件は主に2つあります。
・父母のどちらかが現在育児休暇を取得している
・無認可保育施設を除く保育施設などへの入所を申し込んでいるものの、入所先が決まらない

保育先が見つからないという理由で申請を行う際は、保育施設への入所を申し込んだものの保育先が見つからない旨を自治体が証明した書類を添えて、それぞれのタイミングでハローワークに申し込みます。事情が認められれば、最大子どもが満2歳になるまでの期間で育児休業給付金が支給されます。
・満1歳になる前に延長申請を実施: 最大子どもが1歳半になるまでの期間が、育児休業給付金の支給対象になる
・満1歳半になる前に延長申請を実施: 最大子どもが2歳になるまでの期間が、育児休業給付金の支給対象になる

2人目の育児休暇取得

ママが育休休暇を取っている最中に妊娠・出産した場合にも、育児休業給付金の支給期間が延長できます。

ただし、給付金の二重取りはできません。2人目の産前休暇取得日の前日または2人目の出産日からは1人目の育児休業が終わったとみなされます。そのため、1人目として支給されていた育児休業給付金の支給は、産前休業開始日の前日または出産日で打ち切られます。

なお、1人目の産前産後は働けない期間とみなされています。場合によっては、先に紹介した育児休業給付金の支給条件を満たしているかもしれません。その場合は、申請を行えば引き続き2人目の分として育児休業給付金が受け取れる可能性があります。

育児休暇中の給与

雇用保険に入っている場合は、育児休業中でも給与に対する一定の割合が「育児休業給付金」として、雇用保険から保証されます。条件は以下の3つです。

・1歳未満(保育園が見つからない場合は申請により1歳半まで)の子どもがいる
・育児休暇を取得する2年間のうち、月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
・育児休暇を取得している各月ごとに10日を超えかつ80時間以上勤務していない

派遣社員の場合、待機期間が長くなっている方がいるかもしれません。支給要件にあてはまっているかどうかはよく確認が必要でしょう。

また、書類の確認などで数日出社する程度であれば問題ありませんが、何日も勤務すると給与が発生して給付金を出す主旨から外れてしまいます。

支給が受けられる場合には、原則以下の金額が指定口座へ振り込まれます。

・育児休暇取得から半年以前:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
・育児休暇取得から半年以後:休業開始時賃金日額×支給日数×50%

まとめ

PICKUP

派遣社員であっても休暇中は一定の給与が保証され、2人目以降の出産でも育児休暇が取得できます。派遣社員の妊娠イコール退職ではありません。復職を希望している場合は育児休暇の制度を上手に活用しましょう。

また、いったん退職した場合でも多少は再就職のハードルが高くなるかもしれませんが、決して不可能ではありません。ぜひ上手に準備をして、自分に合ったかたちで育児休暇を取得してください。

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