2019.06.26

コラム

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派遣先でパワハラ、モラハラ、セクハラにあった場合の対処法と相談先

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勤務先での人間関係は、できるだけ穏やかでポジティブでありたいものです。さまざまなハラスメントが社会問題として取り上げられる中、派遣に向けられるパワハラは立場的にも被害を感じやすい人は多いのではないでしょうか。

ここでは、派遣先でのパワハラやモラハラなどにあった場合、派遣社員がとるべき対処法や相談先を紹介します。把握しておけば1人でハラスメントに悩む時間も減り、安心も大きくなるかもしれません。もしものときのためにも対処法を備え、ハラスメントに屈しないすべを身につけておきましょう。

派遣先のパワハラ対処法

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派遣先で行われるパワハラは、毎日足を向けなければならない職場で起きています。日常的にストレスを抱えるようになれば、精神面にも大きなダメージをあたえてしまい、うつ病など深刻な問題になってしまいかねません。

特に、派遣社員は契約更新をしないなど弱みを握られ、パワハラの対象としてターゲットになることもあります。また、性的な被害を受けても身内や知人に相談しづらく苦しんでいる人もいるかもしれません。

もし被害にあったら「派遣社員がとるべきパワハラの対処法」には、どのようなものがあるのでしょうか。

労災申請をする

派遣先で受けるパワハラは、身体的な攻撃を受ける以外にも脅迫や侮辱、暴言、無視、過少要求、私的な部分への過度の侵入などがあります。労災は、どうしても事故やケガという印象が強いです。しかし、労働基準監督署で心理的負荷による精神障害の認定基準に達すると、労災として認定されることになるのです。

パワハラを規制する特別な法律は、2018年に法整備の方針が示され2019年国会への法案提出が目標とされている段階で、いまだに規制がない状態です。しかし、労災申請することで派遣社員がパワハラを受けて、契約期間もまっとうできないまま職を失ったあと療養補償給付・休業補償給付などが受給できる可能性もあります。

パワハラで心身ともに病んでしまったら、労災申請をするのも1つの方法であることを知っておきましょう。

経緯をまとめる

派遣として勤務するようになったら、日々の出来事を記録する日記や日報などを習慣化するのをおすすめします。「今日あった嫌なこと」として、内容も具体的に記していきましょう。場所・相手・内容の他、自身の心情や体調なども記していきます。

記録は後に、被害を受けた派遣社員が会社に向かえなくなったり、我慢の限界がきて派遣先に謝罪や慰謝料などを要求したりする際に、弁護士へ提出する資料にもなります。パワハラを受け始めた日や内容の確認は、とても重要な証拠です。

日記のように記すことで弁護士の理解が深まり、迅速な対応につながっていきます。

証拠収集を行う

派遣先でパワハラを受け、助けを求めても、社員しか立ち入れない空間ではパワハラを特定することは難しくなります。特に陰湿なパワハラは、周囲に知られないように加害者と被害者間だけで繰り広げられることも多く、確固たる証拠がないとパワハラだと認定されるのが難しくなってくるでしょう。

証拠を残そうとする行為が違反にならないかどうかは、まず弁護士などの専門家に相談するのが先決です。ボイスレコーダーを準備してパワハラの事実を記録したり、スマホなどのビデオカメラで撮影したりもできます。

こうした証拠収集をする際にも、いつ・どこで・誰がということを分かるようにするのがポイントです。パワハラでケガをした場合は、傷が消えないうちに撮影し、証拠を残します。

慰謝料を請求する

派遣会社にパワハラを受けたと相談しても、解決のために動いてくれないこともあるでしょう。派遣会社も顧客が大口であればあるほど、弱気になるケースも考えられます。しかし、本来は派遣会社にも派遣先にも従業員の労働安全衛生や安全配慮の義務があるため、パワハラの訴えを相手にしないことは義務を欠いていることになるのです。

派遣へのパワハラが起きた原因が、企業側にあることが明確であれば、パワハラとして慰謝料請求することも可能です。弁護士にも得意不得意がありますので、労使問題に詳しい弁護士へ依頼しましょう。

派遣社員がパワハラにあった場合の相談先

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基本的にパワハラは、加害者がどのような意図をもっているかどうかより、受けた人がどう感じるかという点が大きく判断されます。「嫌だ」「やめて」と相手にビシッと伝えられれば、状況も違うのかもしれません。

しかし、派遣は自分の働く場所を失うかもしれないこともあって、なかなか強気に出られない悩みも抱えるでしょう。「パワハラだな」と感じることが増えてきたら、まずはどこに相談すれば良いのでしょうか。

派遣先へ相談する

派遣先に安全衛生委員会(衛生委員会)などの設置がある場合には、派遣社員も利用できることが多いため、積極的に利用したいところです。しかし、なぜかパワハラ被害を受けているにも関わらず、相談や報告をすることに罪悪感をもってしまい、会社では相談しにくいという人もいます。

実際には、デリケートな個人情報を扱う部門であるため、絶対的な信用のもと設置されるべきですが、安心できるかどうかは派遣先によっても差があります。自分が信頼できると判断した場所に相談することが大切です。

また、パワハラは上司が部下に対して行うケースが多いため、相談するのであれば上司の上司、さらに上の上司へと相談するのが良いでしょう。単なるクレームや仕事ができない言い訳だと思われないためにも、明確な証拠をそろえて臨むのが理想です。

派遣元へ相談する

派遣先の人間関係の問題は、どうしても1人で抱えてしまいがちです。しかし、良い派遣会社は親身になって派遣社員を育てるし大切にしてくれます。もちろん、簡単に派遣先を辞められると収益になりませんので、必死に策を考えてくれるでしょう。

ただ、パワハラがあることを会社側に伝えて解決しても、その後社内環境によっては働きにくい雰囲気ができてしまうことも。そうしたリスクも含めて解決できれば良いのですが、実際にはなかなか難しい現状があります。

派遣社員仲間や他の社員の人たちが、同じようにパワハラ撲滅を願っている状況なら、かなり改善も期待できるでしょう。しかし、中には「打たれ弱すぎ」などと反する意見をもつ人もあるかもしれません。派遣元へ相談する際には、派遣元が話し合いを進めたあと、相談者が孤立しない環境にあるかどうかも重要です。

労働局へ相談する

「派遣会社や派遣先に相談できない」「相談しても相手にしてもらえない」といったことがあれば労働局への相談がおすすめです。労働局は、各都道府県にある厚生労働省の地方機関で、労働者の就労環境や企業の労働法の違反を厳しくチェックする機関です。

派遣先へ訴えを起こす相談やサポートも行っているため、違反があれば企業に指導を入れることもでき、派遣社員の味方になって手ほどきしてくれるでしょう。

弁護士へ相談する

派遣先のパワハラがあり、悪質で絶対に許しておけないものなら、弁護士へ依頼して裁判を起こすことも方法の1つです。社会的制裁を受けるためダメージは大きく、裁判前に示談したいと話を持ち掛けられることもあります。

弁護士へ相談する際には費用もかかりますが、初めての相談なら無料の時間を設けている弁護士事務所も多い傾向です。また、成功報酬から支払ってもらうというスタイルを取り入れているところもあるため、相談料についても話してみましょう。

中途半端な覚悟や準備のまま進めてしまうと、自分へのリスクに耐えられない事態も出てきます。弁護士に依頼すれば、内容は確実に動き出しますので強い覚悟をもって臨みましょう。

派遣社員へのパワハラの事例と対応

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パワハラには数多くの事例があります。中でも派遣先では、契約更新に関する脅しや、社員以上の仕事量や責任の負荷、派遣であることを見下した発言などがパワハラとして多いのが現状です。

誰しも1度は「これはパワハラなのでは?」と感じた経験はあるはず。いくつかの事例をみながら、どう対応すれば良いのか把握しておきましょう。

派遣先社員の差別的発言

世の中には、正社員以外の働き方を知らない人がいます。そのため、派遣に対する差別的発言をしてくる人も少なくありません。「安月給」「将来を考えてない」「負け組」「お気楽」などといった発言で罵倒し、優越感に浸ることや無視・過少要求といった差別的な嫌がらせも起きています。

派遣への差別的な発言がある場合には、まずは派遣先の上司に相談し中傷をやめさせるよう話しましょう。経過をみても改善しない場合は、派遣元へ相談し契約更新をしないで退職という選択もあります。パワハラ問題は、派遣社員が悪いわけではないので、次の仕事も優先的にみつけてもらえるよう相談をしてみましょう。

社員から女性派遣社員へのセクハラ

派遣社員が女性だった場合、女性が不快に感じる「性」を中傷されたり、強要されたりするセクハラも身近な事例が多くあります。結婚の有無や体形への指摘、いやらしい視線、何気ないタッチなどもあるでしょう。

セクハラが1回や2回といった日常的に継続されるものでない場合でも、不快に感じる場合には派遣会社へ連絡を入れましょう。派遣先も派遣元も、社員を適切な環境下で働かせる義務があります。

しっかり是正してもらえるよう依頼し、対応が難しい場合には、他の派遣先を紹介してもらえるよう、セクハラの深刻性を強調して話すのがポイントです。

派遣切りなどのモラハラ

派遣は有期労働契約のため、契約更新を逆手に従わせようとしたり、脅したりするモラハラも問題視されています。「派遣のくせに」とばかにされることも人格否定に当たりますから、多くの人が経験しているのではないでしょうか。

派遣先や派遣元の上司に相談して改善されない場合には、労働局への相談することがおすすめです。派遣先と派遣社員の間に立ち、さまざまな法令をもとに改善に向けて働きかけてくれます。

労働基準監督署は企業サイドに違反勧告はできても、労働者の救済は直接的ではありません。労働局は企業とのハラスメント問題にも積極的に動いてくれます。

飲み会やイベントへの強制参加

派遣先の飲み会やイベントも、コミュニケーションを深める1つの手段であることは理解できます。しかし、無理のない範囲で参加しようと考えていても、強制参加となると話は別です。残業とは違い業務扱いにもなりません。

参加しても飲めないお酒やお酌を強要されたりすることもあるかもしれません。まずは、就業先の上司や派遣会社に相談してみましょう。

就業先にハラスメント相談窓口があれば相談してみます。どうしても納得できない回答や対応で、その後も強制参加が続くようなら弁護士への相談も視野に入れてみると良いでしょう。

まとめ

派遣の足元を見たパワハラやモラハラ、セクハラを受けて我慢しすぎてしまうと、自信喪失や人間不信などに陥り、うつなどの症状も悪化してしまいます。相談できる窓口を把握し、早い段階で相談できるよう環境を整えておきましょう。

「このくらいで騒ぐと変な目で見られる」などと自分の気持ちを抑えたり責めたりすることはありません。ケースに合った対処法と相談先を把握して、快適に仕事ができる環境を選んでいけるのも、派遣の特権だと考えましょう。

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