コラム

派遣社員とフリーターの違い|働き方としてどっちが良いのか比較する

働き方が多様化する中、正社員として特定の会社と雇用契約を結ばずに働く形にはさまざまなものがあります。その中で生まれた働き方のひとつが、今回比較する「派遣社員」と「フリーター」です。両者はそれぞれに特徴があり、どちらのほうが良いのかは働き手の価値観やニーズによって異なるでしょう。

派遣社員とフリーターとの違いやそれぞれのメリット・デメリットを知ることは、自分に合った働き方について考える際に重要な参考材料となります。この記事を参考に、あらためて働き方について考えてみるきっかけにしてくださいね。

 

派遣社員とフリーターの違い

まずは、そもそも「派遣社員」と「フリーター」とがどのように異なるのかについて理解していきましょう。この章では、「働き方」「収入面」「待遇面」の3つのポイントについて、両者の違いを解説します。

 

働き方の違い

「派遣社員」と「フリーター」の働き方の違いについて考える際、まず押さえておきたいのは、働き手が雇用契約を結ぶ先の違いです。派遣社員として働く際に労働契約を結ぶのは、人材派遣会社になります。一方、フリーターとして働く際に労働契約を結ぶのは働くことになる企業・店舗・事業所です。

「派遣社員」とは、登録した人材派遣会社から紹介された企業・事業所で働く人を指します。仕事内容の指示は、派遣先の会社・事業所から受けるため、一見すると同じ勤務先で働く社員・パート・アルバイトとの違いはわかりにくいといえるでしょう。勤務時間も派遣先のスタイルに合わせるため、多くの社会人のように週に5日実働8時間働くこともあります。

一方、「フリーター」はアルバイト勤務を行う人を指します。フリーターの語源は「フリーアルバイター」で、1987年ごろに誕生した言葉です。短時間アルバイトをかけもちする人や、フルタイムバイト勤務をする人など、働き方のスタイルには個人差が表われます。

収入面の違い

収入面でもっとも大きな違いは、給与の交渉です。派遣社員は派遣会社の担当者が時給や業務指示について交渉を代行してくれるメリットがあります。派遣会社が間に入っているため、最低賃金の遵守といった法的な面でも安心できるといえるでしょう。

また、アルバイト雇用となるフリーターの収入は、雇用主の会社によって大幅に変動します。かけもちをしたり・しなかったり、夜間に働く仕事を選んだりといったことでも収入には違いが生まれるでしょう。

求人情報に出ている時給では、派遣社員のほうがアルバイト雇用よりも高い傾向です。一社会人として、社員と遜色なく働ける人材を求められることも多いという背景もあるでしょう。ただし、収入は確実に派遣社員のほうが高いと言い切れるわけではありません。

給与が支払われるタイミングは、派遣社員・フリーターともにケースバイケースです。派遣社員の場合は月に1度のほか、週に1回支払われるケースもあるでしょう。一方、フリーターの場合は、最短で働いた当日(即日)払いが可能な場合もあります。

待遇の違い

派遣社員とフリーターとでは、待遇面に差が生まれます。社会保険への加入や福利厚生、スキルアップできる環境といった2つの側面から違いをみていきましょう。

社会保険の加入や福利厚生

働くうえで気になるのが、収入面のほか、社会保険への加入や福利厚生についてではないでしょうか。派遣社員は、登録した人材派遣会社で社会保険に加入します。正社員が会社に行ってもらうものを派遣会社が行うとイメージすればわかりやすいでしょう。

福利厚生も整っており、年次有給休暇の付与・必要時の休業手当・介護休暇・産前産後休暇・育児休暇も受けることができます。定期健康診断も派遣会社から受けることができ、労働環境が整っているといえるでしょう。ただし、派遣社員にはボーナスや退職金制度はありません。

一方で、フリーターはこの点が安心感に欠けます。社会保険への加入は、勤務日数・時間や雇用主の会社規模・本人の収入によって義務づけられていますが、福利厚生が手厚いケースのほうが少ないでしょう。

スキルアップできる環境

スキルアップできる環境かどうかは、本人の意欲や仕事への取り組み方によって変わってくる部分でもあります。「現在はフリーターだが、将来は正社員への登用を目指している」という人が社員登用ありの会社で働いている場合もあるでしょう。

双方のニーズが一致することでスキルアップできる環境で働けることもあります。逆に、「アルバイトにはここまでの仕事しか任せられない」といったケースも少なくありません。派遣社員・フリーターのいずれかが極端に環境が良いとは言い切れない部分です。

ただ、派遣社員の場合は人材派遣会社で行われているスキルアップ講座を受けられることがあります。整備されている派遣会社の場合は、派遣社員のほうが整えられているといえるでしょう。

派遣社員の特徴

派遣社員・フリーターの違いについておおまかに理解したところで、次は派遣社員の特徴について説明します。

派遣社員のメリット

派遣社員のメリットには、以下の4つが挙げられます。

・自分のスキルを活かせる会社で働ける
・福利厚生が手厚い
・派遣契約終了後に次の仕事を紹介してもらえる
・派遣会社に条件面の交渉をしてもらえる

派遣社員を必要とする会社の多くは、資格や経験を積んだ即戦力を求めています。そのため、自分のスキルを活かせる会社で働け、かつ正社員よりも自由度が高いというメリットがあるといえるでしょう。

一般的な派遣社員は、同じ職場での勤務が最長3年間と法律で定められています。アルバイトの場合は、自分で次の勤務先を見つけなければなりません。しかし、派遣社員の場合はマッチする会社を派遣会社側が紹介しれくれるのもメリットでしょう。

なお、2015年には3年経ったあとも同じ職場で働き続けられる「無期雇用派遣」という働き方も生まれています。

派遣社員のデメリット

派遣社員のデメリットは、主に以下の3点になります。

・交通費が必ずしも別途支給されるわけではない
・景気状況によって雇用が左右されやすい

正社員やフリーター(アルバイト)の場合は、勤務先が交通費を全額・一定額支給してくれるところも多いのですが、派遣社員の場合は時給に含められていることも多いのが特徴になります。派遣会社によって異なり、中には別途支給してくれる派遣会社もあるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

会社の経営状況や景気が悪化した際、真っ先に人員整理の憂き目に遭うのは派遣社員だといって良いでしょう。こちらは、フリーターでも似たことではありますが、安定性に欠けるのは自由な働き方が引き受けるべきものといえるのではないでしょうか。

フリーターの特徴

次はフリーターの特徴について説明します。

フリーターのメリット

フリーターのメリットは、主に以下の3点になります。

・働きたい時間帯、日数を選べる
・さまざまな仕事を体験できる
・日払い、週払いなど必要なタイミングでお金がもらえる仕事が選べる

フリーターのメリットは、何よりもその「自由度の高さ」でしょう。早朝仕事や夜間仕事、単発仕事や長期の仕事など、多種多様な仕事から自分に合ったスタイルを選べます。ひとつの仕事ではなく、複数の仕事をかけもちできるのもメリットだと感じる人がいるのではないでしょうか。

また、単発バイトなどでは日払いにも対応しているため、突発的にお金が必要になったときでも時間と体力が問題なければ働くことができます。

フリーターのデメリット

フリーターのデメリットは、主に以下の3点です。

・福利厚生が薄い
・収入を上げることが難しい
・社会的信用が低い
・雇用が安定しない

フリーターは、直接勤務先と雇用契約を締結するため、雇用主によっては福利厚生がかなり薄いことも少なくありません。年次有給休暇の付与についても同様です。パート・アルバイトへの付与の義務化を政府が進めており、実際に勤務スタイルによっては現状でも法的に権利があります。

しかし、現実的には「なあなあ」になっている側面は否定できないでしょう。また、給与面も雇用主の判断のみに委ねられているため、同じ勤務先で長く働いていて貢献していたとしても、昇給しづらい特徴があります。

「フリーター」という響き自体にネガティブな意識を持つ年代層もまだまだ多い傾向です。そのため、社会的な信用度がどうしても低いのもデメリットだといえるでしょう。雇用が終了しても次の仕事の紹介が受けられる派遣社員とは異なり、フリーターは自力で次の雇用主を見つけなければならない点もポイントです。

どちらか迷ったときの選択のポイント

派遣社員とフリーター、どちらの働き方を選べば良いのか迷った際は、以下の点について考えてみましょう。

・福利厚生を重視している→派遣社員
社会保険や福利厚生を重視するのであれば、派遣社員のほうが良いでしょう。

・柔軟に働きたい→フリーター
より自由度が高い働き方はフリーターです。

・正社員登用を希望している→どちらも大差ない
アルバイト雇用から正社員になる道が探れるため、フリーターのほうが良いでしょう。

・それなりの収入を得たい→派遣社員
フリーターの場合、高収入を得るためにはかけもちをしなければ難しいケースも珍しくありません。収入面を重視するのであれば、派遣社員のほうが良いでしょう。

 

まとめ

派遣社員もフリーターも、正社員と比べると自由度が高い分、不安定さがある働き方です。その点を理解したうえで、今の自分にとってベストな働き方を選ぶことが重要でしょう。

どちらがよくてどちらがダメだということはまったくありません。今の自分と今後のキャリアについて考え、ニーズに合った働き方を選ぶことをおすすめします。

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